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好きなことを好きなよーに書き散らし中。 色々オタぎみなので、取り扱いには要注意かも?
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調子乗りまくり。
というわけで本編の隙間を縫う小話をまたもや。
まさかの連日ですよ。
自分で一番ビックリですよ。
あーあ、テンション上がっちゃったんだな(笑)




 そういえば教科書類に名前を書いていなかった、と気付いたのは今日の昼間。授業で使う為に出した、まさにその時に、だった。
 引っ越すことに意識を持っていかれていたから、やっておかなければならない事が飛んでいたらしい。
 その場で書くことは出来なかったので、帰宅し夕飯も入浴も終え落ち着いた今やっているというわけだ。

 机の上に真新しい教科書を並べながら、名前を書いていく。
 その作業に終わりが見えてきた時だった。耳元で流れていた音楽がふつりと途切れ、代わりに無機質な警告音が鳴る。

「あ、充電」

 切れる、と言い終わる前にイヤフォンから流れていた音は無情にもぶつりと切れてしまった。
 そういえば何だかんだでごたついていて、充電もしていなかった。
 音楽は、好きだと言い切れる数少ないものの一つだ。
 凌は溜め息を吐き、無音になってしまったイヤフォンを外した。

 本当は質のいいコンポが欲しいな、と思わないでもない。
 だがあちこちを転々としてきた生活上、かさばるであろう家具や荷物に手を出すのは躊躇ってしまう。
 結局手放すことになるのなら、手持ちの荷物は最初から少ない方がいい。
 何も手にしていなければ、失う辛さを味わうこともない。

「……寝ようかな、もう」

 音楽が途切れると同時に、気力も削がれてしまった。
 続きは明日の朝早めに起きてやればいい。
 そもそも凌は就寝が早かった。起きていられないこともないのだが、人様の家に厄介になっている以上あまり夜更かしというのもし辛かったからだ。
 代わりに朝は早く、寝起きもいい。

 就寝すると決めてからの凌の行動は早かった。
 と言っても歯を磨き着替えただけだが。
 部屋の明かりを消し、しかしやけに明るいのに窓の外を見やる。

「……月」

 ぽつり、呟いていた。
 窓の外、中空に月が浮いている。
 一昨日この街に訪れたばかりの時に見たそれとは違い、金色とも白色ともつかぬ穏やかな光を放っている、月が。
 その光は、冷たいようにも優しいようにも見える。
 丸い月。
 一瞬満月なのかと見紛ったが、よくよく見ると端が欠けているようだった。
 月がこんなに気になるのは、昨夜の出来事があったせいだろうか。
 今まで、こんなに真剣に見上げたことなどなかったのに。

「……寝る」

 ふるりと一度、首を振り。
 自身に言い聞かせるように口にして、凌は月から視線を引き剥がした。
 今はとにかく、眠ってしまおう。
 考えたくない、と。
 心のどこかがそう言ったような気がした。

END



主人公、寝るの早いよなー、と。
監視されてる時にね。そう思ったんでね。
勝手に理由づけしてみた。
荷物少ない理由も。
居候ってやっぱり肩身狭いもんだと思うんだー…下宿とかじゃないもんね…
うちの凌くんは基本NO MUSIC NO LIFEな人。
音楽ないと落ち着かないのです。
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