好きなことを好きなよーに書き散らし中。
色々オタぎみなので、取り扱いには要注意かも?
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昨日書けなかったんですがネタは上がってるのでちゃちゃっと白状させます。
遅筆にリアルタイム更新はキツイよ、ママン…!(笑)
でも浮かんだものは止められない。やれるだけやってやると決めたんだ。
だってリアル! P3! Year!(もういー)
さて、どこまでやるつもりか枝シリーズ。
遅筆にリアルタイム更新はキツイよ、ママン…!(笑)
でも浮かんだものは止められない。やれるだけやってやると決めたんだ。
だってリアル! P3! Year!(もういー)
さて、どこまでやるつもりか枝シリーズ。
歩きながら、ふと背後を振り返った。
聳え立つ、高い高い塔。
タルタロスと呼ばれた塔は天へ挑もうとでも言うかのように、ただ高く。
その頂上に何があるのかなど、想像もつかなかった。
少なくとも見た目からするとあまり言い印象は得られない。
捩れ、歪み、様々なものが規則性もなく合成されているようにしか見えないからだ。
法則性など知ったことじゃない、という見た目の割に、タルタロスは嘲笑うかのようにまっすぐ天へ向かっている。
空へ伸びる塔。まるで神話に聞くバベルの塔のようだ、と思う。
もしくはタロットカードにおける塔か。
神の怒りに触れた塔は、結局完成することなく朽ちるのだ。
後者に至っては雷と共に破壊されるのではなかっただろうか。
どちらにしろ、その末路は同じだ。
人は天の頂に辿り着くことは叶わない。
それなら、タルタロスは……?
考えかけ、ふるりと首を振った。
タルタロスはバベルではないし、人の手で造られたかどうかも定かではない。
そもそも影時間にだけ存在する塔、という事実からして常ではありえない力が働いていると見て間違いないだろう。
原因は何か、など分かるはずもないけれど。
「水沢、どうかしたか」
かけられた声に、我に返った。
声の方に顔を向ければ、桐条が立っている。気遣わしげな眼差しに、考え事をしながら歩いているうちに皆からやや離れてしまったらしいことに気付いた。
「少し、疲れました」
タルタロスが何なのか考えてました、と正直に言うのは憚られた。
何か分からず、対処できる人間が他にいないからこそ、一介の高校生が特別課外活動部、と称しているのだろうし。
それに前を歩く順平たちは、さして疑問に感じてはいないようだったからだ。
凌は自身が皆と足並み揃えて、というタイプではない事は自覚している。
けれど自ら望んではみ出す事を望んだりもしていない。
そうでなくても自身の能力がどこか「異質」であると感じているのだ。
通り過ぎると分かっていても、ある程度奇異の目で見られることに慣れているとは言っても、やはり避けられるものならば避けて通りたい。
何より疲労を覚えているのも嘘ではなかった。
内部を探索していたのはそう長時間ではないはずなのに、纏わりつくような疲れがある。
影時間は時計が作動しないから実質的にどれだけだったかは測りようがないのだが。
凌の内心を知ってか知らずか、桐条はどこか納得したようだった。
「そうか。君には現場リーダーも任せてしまったからな。神経を使わせてしまったか」
「慣れれば幾らか違うとは思いますが」
「頼もしい答えだな」
凌の言葉に、桐条がくすりと笑う。
品のある笑い方をする人だな、と今更ながらに思った。
「やっていけそうか?」
「恐らくは。……無理や無茶をする気はありませんし」
言外に自分の能力を超えるような事を抱え込むつもりはないと匂わせる。
頭のいい人だから伝わるだろうと、態と全ては口にしなかった。
その言い方が良かったのか、それとも言葉の内容がお気に召したのか、桐条は満足そうに頷いた。
「能力外の事をさせるつもりはない。安心してくれ。むしろ、無理をする前に引き返すぐらいでいい」
「そう、ですか」
少し、意外な言葉だった。
だが慎重にならざるを得ないのは分かる気がする。
影時間といいシャドウといいタルタロスといい、不明瞭なことが多すぎる。
けれど現実感のない時間、非現実的な出来事ばかりの中で、それでも「適性を持つ」人間にとってはこれは紛れもない現実だ。
つまり、血も流れれば死の危険もあるということだ。
部と名付けられているからには学園の認可にあるということだ。
まさか部活動で死者を出すわけにもいかないだろう。
つまりは人命優先で行動してくれ、と。そういう話らしい。
当然と言えば当然なのだが。
「……」
死、という言葉に。
何故だろう、胸がざわついた。
そんな気がする。
「先輩は、あの塔を」
月明かりの下、タルタロスはただそこに在る。
天どころか月にまで届きそうな、高い塔。
影時間にしか現れない、おそらくはこの狭間の時間についての何かが待っているのだろう、塔。
「何だと、思いますか」
言ってから、自身が口にしたはずなのに首を傾げたくなった。
どうして俺は、こんな事を聞いているんだろう。
分からないから、それを知るために特別課外活動部というものがあるのだろうに。
だけど、聞きたいと思った。誰かに、あの塔を何だと思うか、と。
何故そんなことを考えるのかも分からないままに。
「……それを調査する為に、君たちに協力を仰いだんだ」
「あ、と、すいません。ちょっと、自分でも何が言いたいんだか……」
「いい。責めているわけじゃない。タルタロスが何であるか、か」
「少しでも何か分かれば、先に進む足がかりになるかな、と思っただけで」
これもまた、嘘ではなかった。
学園がある場所に現れるということは、学園に何か関係しているものではないか、と。
そしてそれを桐条が考えた事がないとは到底思えなかったのだ。
真実を隠している、とまでは言わない。
けれど知っていて言えない、そんな話があるのではないだろうか。
口にしてから、これはまずかったかと少し思った。
そう意識していたわけではないのだが、詰問しているようにも取れる。
だが対する桐条はと言うと。
「やはり、君をリーダーにして正解だったな」
「……?」
「理由はどうあれ、少なからず危険であることに変わりはないからな。考えすぎる必要もないが考えてくれるに越したことはない」
ああ、そういう解釈か。
些か会話が噛み合わなかった感もあるが、知りあって間もない人間同士の会話なのだからそれも珍しくないだろう。
何より今回は伝わらなくて良かったことでもある。
やはり考えがまとまらないままに口にするもんじゃないな。
肩を竦めたいような心境で、そんなことを思った。凌は自分があまり口数が多い性質ではないことを、ちゃんと理解していた。
「不安もあると思うが、あまり構えずにやってくれ」
「……はい」
頷き、凌は桐条に続いて歩きながらそれとなく背後を仰ぎ見た。
奇妙に歪んだ塔は、やはり変わらずに月を背負って立っていた。
END
うちの凌クンは結構考える性質らしいです。
ぐーるぐーる、とね。って今更かい。
いやむしろぐるぐーるぐるーぐるぐるぐるるーぐる。かも。(マグロキタ)(うわコアな人しかわからんネタを)
まだ桐条先輩とは意思疎通がそう出来てない頃なので、こんなんで。
いやぁ…タルタロスって踏み込むの勇気いる外観だと思うんですよ。
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