好きなことを好きなよーに書き散らし中。
色々オタぎみなので、取り扱いには要注意かも?
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◆P3P・男主人公と友近・テオドア妄想◆
※主人公名・水沢凌(みずさわしのぐ)
「な。お前昨日さ、ポロニアンモールで美形とデートしてたって、マジで?」
登校するなり詰め寄って来た友近に、挨拶もそこそこにそう聞かれた。
「おはよう」
「あ。はよ……ってそうじゃなくて! 否定しないって事は本当なんだな?!」
「朝からテンション高いな」
少し後退りながら、言う。
問われた事を誤魔化そうとかそういうワケではなく、正直にそう思ったからだ。
基本的にローテンションかつ無口な凌にしてみれば、朝からこうも盛り上がれる友近は羨ましいような、呆れてしまうような。
確かに昨日はポロニアンモールに出掛けていたし、一人ではなかったのもまた事実だ。
特に人目を避けていたわけでもないし、ポロニアンモールは月光館学園の生徒もよく足を運ぶ場所だから、誰かに見られていたのだろう。
噂というものはとかく尾ひれが着いて凄まじい速度で駆け巡るものだ。
そういえば転入初日に岳羽と登校して来た時も噂になったのだったか。
他に娯楽はないのか、と複雑な気はするが、まあ仕方ないとも思う。手の届きそうな範囲での噂なんて弄りやすいものに興味を煽られるのは老若男女共通だからだ。
「で、どうなんだよ?」
「確かに昨日はポロニアンモールに行ったけど」
「おおっ、マジかよ!」
友近の目が輝き、身を乗り出して来る。
ヤバイ早いトコ誤解を解かなければ。
内心で冷や汗をかきつつ、放っておけばどこまでも暴走しそうな友近を止めるべく片手を上げた。
曰くジェスチャーの意味は、止まれ、だ。
「けど、デートじゃない。この辺詳しくないって言うから、案内してただけだし」
「でも二人だったんだろ?」
「うん」
「バーッカお前、それをデートと言わずして何つーんだよ!」
「相手が男でも?」
あ、止まった。
そうか、これを先に言えば良かったのか。
ぽかんと口を開けた友近を見ながら、内心で呟いた。
やがて硬直の解けた友近が、肩をがくりと落とした。
「っ前なぁ、先に言えって。そういう大事な事は!」
「口挟む隙、なかった」
「なーんだよー。美形と歩いてたっつーから、てっきり……」
凌が美形と歩いていた、というのが噂の本筋らしい。まあそこに色々尾ひれが着いて回っているのだろうと考えなくてはならないけれど。
思い返してみて、確かにテオドアが歩いていれば目立つかもしれないと今更ながらに気付く。
凌はあまり人の顔の造作に頓着がないから改めて気にした事はなかったが、テオドアの顔立ちは世間的には整っていると言えるものなのだろう。
加えて柔らかな物腰と、凛とした立ち姿は、確かにどこかのモデルのようだとも言えなくもない。
テオドアの事を思い返していた凌は、うん、と一つ頷いた。
「でも確かに、テオは美形だと思う」
「美形だろうと何だろうと、男じゃなー」
「……噂は程々に信じるくらいにしといたら」
「おー。次回からな」
この話題からは急速に興味をなくしたらしい友近と、その後は他愛ない会話をして。
けれど話しながら、凌はなぜかこの噂の話をテオドアにしてみようかと考えていた。
あの蒼い部屋の住人である彼が、どんな顔を、反応をするか少し興味があった。あの不思議な色彩をした瞳がどんな風な色を宿すのか、それが知りたいと思った。
彼はどうやらベルベットルームの外に興味があるらしいから、こんな話をすればまた外への案内を頼まれるかもしれない。
だがそれが、どうしてだかイヤではなかった。
END
なんで男の子だと選べないんだよーぅ!
の嘆きをこめて書いてみた話。
テオ、って呼び名が好きかもしれない。
※主人公名・水沢凌(みずさわしのぐ)
「な。お前昨日さ、ポロニアンモールで美形とデートしてたって、マジで?」
登校するなり詰め寄って来た友近に、挨拶もそこそこにそう聞かれた。
「おはよう」
「あ。はよ……ってそうじゃなくて! 否定しないって事は本当なんだな?!」
「朝からテンション高いな」
少し後退りながら、言う。
問われた事を誤魔化そうとかそういうワケではなく、正直にそう思ったからだ。
基本的にローテンションかつ無口な凌にしてみれば、朝からこうも盛り上がれる友近は羨ましいような、呆れてしまうような。
確かに昨日はポロニアンモールに出掛けていたし、一人ではなかったのもまた事実だ。
特に人目を避けていたわけでもないし、ポロニアンモールは月光館学園の生徒もよく足を運ぶ場所だから、誰かに見られていたのだろう。
噂というものはとかく尾ひれが着いて凄まじい速度で駆け巡るものだ。
そういえば転入初日に岳羽と登校して来た時も噂になったのだったか。
他に娯楽はないのか、と複雑な気はするが、まあ仕方ないとも思う。手の届きそうな範囲での噂なんて弄りやすいものに興味を煽られるのは老若男女共通だからだ。
「で、どうなんだよ?」
「確かに昨日はポロニアンモールに行ったけど」
「おおっ、マジかよ!」
友近の目が輝き、身を乗り出して来る。
ヤバイ早いトコ誤解を解かなければ。
内心で冷や汗をかきつつ、放っておけばどこまでも暴走しそうな友近を止めるべく片手を上げた。
曰くジェスチャーの意味は、止まれ、だ。
「けど、デートじゃない。この辺詳しくないって言うから、案内してただけだし」
「でも二人だったんだろ?」
「うん」
「バーッカお前、それをデートと言わずして何つーんだよ!」
「相手が男でも?」
あ、止まった。
そうか、これを先に言えば良かったのか。
ぽかんと口を開けた友近を見ながら、内心で呟いた。
やがて硬直の解けた友近が、肩をがくりと落とした。
「っ前なぁ、先に言えって。そういう大事な事は!」
「口挟む隙、なかった」
「なーんだよー。美形と歩いてたっつーから、てっきり……」
凌が美形と歩いていた、というのが噂の本筋らしい。まあそこに色々尾ひれが着いて回っているのだろうと考えなくてはならないけれど。
思い返してみて、確かにテオドアが歩いていれば目立つかもしれないと今更ながらに気付く。
凌はあまり人の顔の造作に頓着がないから改めて気にした事はなかったが、テオドアの顔立ちは世間的には整っていると言えるものなのだろう。
加えて柔らかな物腰と、凛とした立ち姿は、確かにどこかのモデルのようだとも言えなくもない。
テオドアの事を思い返していた凌は、うん、と一つ頷いた。
「でも確かに、テオは美形だと思う」
「美形だろうと何だろうと、男じゃなー」
「……噂は程々に信じるくらいにしといたら」
「おー。次回からな」
この話題からは急速に興味をなくしたらしい友近と、その後は他愛ない会話をして。
けれど話しながら、凌はなぜかこの噂の話をテオドアにしてみようかと考えていた。
あの蒼い部屋の住人である彼が、どんな顔を、反応をするか少し興味があった。あの不思議な色彩をした瞳がどんな風な色を宿すのか、それが知りたいと思った。
彼はどうやらベルベットルームの外に興味があるらしいから、こんな話をすればまた外への案内を頼まれるかもしれない。
だがそれが、どうしてだかイヤではなかった。
END
なんで男の子だと選べないんだよーぅ!
の嘆きをこめて書いてみた話。
テオ、って呼び名が好きかもしれない。
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