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好きなことを好きなよーに書き散らし中。 色々オタぎみなので、取り扱いには要注意かも?
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荒主月間記念!
にちょっと甘めの話に挑戦してみる。
あ、短いです。

 




「水沢」
「はい。大さじ2くらいでいいですか?」
「ああ、十分だ」
「……っつかナンデそれで通じるんすか」

 今名前しか読んでなかったジャン! と謎のイントネーションで言うのは順平だ。
 場所はキッチン。
 何をしているのかと言えば、荒垣と凌が二人で料理中。
 そこに例によって例の如く今夜の夕飯もカップ麺な順平がお湯を作りにキッチンまで訪れ。
 その他途中経過は長くなるので省くが、気づいたら今日の夕飯は二人の手製料理が振舞われる、という展開になっていた。
 何故順平がキッチンに待機しているのかと言えば、お前言いだしなんだから運ぶのくらい手伝え、と荒垣によって任命されたからだ。
 勿論、凌も荒垣も順平に料理を手伝わせようとはしなかったし思いもしなかった。順当な選択と言えよう。

「何でって……」

 凌は困ったように首を傾げ、荒垣に目を向けた。
 荒垣はそれに肩をすくめて見せる。
 アイコンタクトを取りつつも二人とも手を休めることがないのは、流石というか何というか。
 それを見ていた順平がまた言葉になっていない言葉を発しながら頭を抱える。

「放っとけ。それよりそっちは」
「あ、はい。良さそうです」
「終わったら次な」
「分かりました」

 ああ目の前で展開されている、これ。この光景。
 大の男が淀みなく迷いなくキッチンを左右に行き来し、出来上がっていく料理はさも美味しそうな芳香を放っている。
 それはいい。それはもう、大歓迎なのだ。
 問題は、というか順平が問題視したいのは。

「アレとかコレとかで通じちゃうってどこの熟年夫婦なんっすかー!」
「うるさい。叫ぶな。さっさと持ってけ」

 順平の魂からの叫びは、荒垣によって華麗にスルーされた。
 もとより凌からツッコミが返ってくるとは思っていない。
 一瞬食い下がろうかと思った順平は、しかしこのまま粘っていてもおたまで殴られるくらいで収穫はなさそうだと判断し、大人しく出来上がった皿を運ぶ作業に従事することにした。

「あれとか、これとか?」
「……気にすんな」

 順平が去った後のキッチンで。
 首を傾げる凌と、少しだけ耳の先が赤い荒垣がいたのは、まあそういうことで。


END



自覚なく熟年夫婦みたいなやりとりしてたりして。
他者から言われて気付いた荒垣さんと、気付かない凌。
新婚通り越して熟年な辺りがうちの二人だなー。
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