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好きなことを好きなよーに書き散らし中。 色々オタぎみなので、取り扱いには要注意かも?
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なーんか、寒さが戻ったせいか調子が悪いっすわー。
忙しかったしね…
うう、ダメだ弱音とか愚痴になっちゃいそうだ。
つーわけで、小話にします。
絶賛プレイ中のマイソロ2です。
さらっとね、さらっと。
ネタバレノーセンキューな方は立ち入り禁止ですのことよ。



※主人公名→ルバート
時期・ディセンダーと発覚後、ゲーデの話が出た辺り(あらすじ32頃)


 ギルド・アドリビトムがバンエルティア号という船を拠点にしているのは周知の通り。
 ルバートが訪れた当初に比べると人も依頼も増え、おまけに改造も施された船は伝説の名に恥じない働きをしていると言えるだろう。
 気付けば自分がディセンダーであることが発覚したり、世界が色々と危機らしいという状況に陥っていたりするのだが。
 ルバートは、そして周囲も今までと何ら変わることはなかった。
 無論、世界の危機を何とかせねばならないという気持ちはあるが、焦って事を急いでも結果は出ない。
 もどかしくとも一つ一つ、目の前にある事柄を消化していくしかないのだ。

 そんなこんなでルバートは相変わらずアドリビトムに持ち込まれる依頼をこなす日々を送っていた。
 世界樹のことは確かに気に掛かる。
 だが知識のない自分に出来ることなどたかが知れているし、それなら自分に出来ることをやっていた方がよほど健全だ。
 ファラの言ではないが、困っている人の為に何かが出来るのは、悪い気はしないし。

 そんな風に今まで通りの日々を過ごしているルバートではあったが、ただ一つ。
 気になることが、あったりした。
 セルシウスが言っていた、そしてまた自身も目の当たりにしていた存在……ゲーデの事だ。
 彼は負の怨念の化身、なのだと言う。
 憎悪の宿った瞳、魂の底から絞り出されるような怨嗟の言葉、世界をも打ち砕かんとする力。
 そのどれを取っても、ゲーデの存在は人に恐怖を抱かせるに十分だった。

 だけど。

「ルバート、考え事か?」
「あ、ごめん」
「いや、謝らなくていいけどさ」

 声をかけられ我に返った。
 そういえば掃除の途中だったのだ。
 バンエルティア号は広い。よって掃除は当番制になっている。
 当番日だったルバートは、今日は依頼に出ることなく掃除をしていた。

 が、その途中で思考の海に沈んでしまったのだった。
 引き戻してくれたのは、同じく今日の当番であるルークだった。
 ちなみにこの当番、名前の順で割り当てられていたりする。

「この間からちょくちょくそうだよな。考え込むの」
「……うん」

 事実なので、否定はしない。
 自身の出生と、ゲーデの事を聞いてからずっと考えていたのだ。
 とはいえ一人思い悩んでいても解決する類のことではない、とは薄々気づいていた。
 そろそろ誰かに相談してみるのもいいかもしれない。

「俺と、ゲーデってさ。世界樹から生まれたって」
「ああ、そういう話だな」
「それで、考えてたんだ」
「……あんまり深く考えなくてもいいんじゃないか? ディセンダーだって分かる前と後で、お前がどっか変わったってこともないしさ」
「うん。それは……皆もそうだし、感謝してる」

 これもまた、本音だ。
 周囲が変わらなかったことに、安堵と感謝の気持ちは常に感じていた。
 だがルバートが考えているのは、出生だとか立場だとかそういう話ではないのだ。
 いや、ある意味では立場とも言えないこともないのだろうが。

「ルークは、どう思うか聞いてもいいかな?」
「おう。俺の考えでいいなら」
「ゲーデの事、兄さんって呼ぶのと兄さまって呼ぶの、どっちがいいと思う?」
「……はい?」

 ルークが盛大に顔を顰めたのを見て、ルバートは首を傾げる。
 質問の内容がおかしいなんて、微塵も思っていない顔で。

「だって、生まれが一緒なんだから兄弟みたいなものだと思うんだ」
「あー……、まあ、そう考えればそうか……?」

 疑問符を飛ばしつつ、ルバートの言葉も一理あると感じたらしい。
 釈然としない顔をしながらもルークは一応頷いた。
 ちなみにゲーデを兄としたのは、完全にルバートの独断である。
 詳しく話したわけではないからゲーデがどのような状態で生まれてきたのかは分からないが、先の邂逅を思い返す限り自分よりか多少なりとも世界を知っているような口ぶりだったから、だ。
 その言葉の大半が憎しみに彩られてはいたけれど。

「だから次に会った時、何て呼ぼうかなって」

 屠ってやる、とまで言われたのはルバートにとってはそれほど重要ではないらしい。
 それどころか、記憶のない自分に突如降って湧いた近しい存在に対しての興味と期待でいっぱいだった。
 肉親は問答無用で戦いを挑んできたりしない、とは考えもしていない。
 むしろアッシュとルークの決闘立会人までしたルバートは兄弟は決闘の一つもしてナンボだ、とか間違った知識を植え付けられていたりする。

「俺なら……兄上、になんのかなぁ」
「兄上、か。候補が増えた……」
「まぁ一応貴族だしさ、ちょっと堅苦しい呼び方になるけど」
「ありがとうルーク。もう少し考えてみることにする」

 兄さん、兄さま、兄上、兄上さま、などとブツブツ呟きながらルバートは掃除用具を片付ける為に歩き出した。
 残されたルークは何かおかしくないか、と首を捻っていた。

 ちなみに後日。
 スタンの妹、リリスがギルドに加入し。
 彼女の言っていた「お兄ちゃん」という呼び方をルバートがいたく気に入るのだが、余談である。

 晴れて再会したその時にルバートがゲーデをどう呼ぶかは……神のみぞ知る。
 世界樹の子らの明日はどっちだ。


END




うおう、予想外に長くなった。(いつも言ってる気がするコレ)
いやね、同じ世界樹から生まれたんだから肉親じゃん、みたいなね。
主人公が女だったら迷うことなく「兄貴!」って言わせる。
そんできっとゲーデ号泣(笑)
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